特徴と強み|愛知医科大学 呼吸器外科 - Division of Chest Surgery, Aichi Medical University

Features & Strengths. Features & Strengths.

愛知医科大学は外科学講座の中に6つの診療科(消化器外科、心臓外科、血管外科、乳腺内分泌外科、腎移植外科、呼吸器外科)があり、呼吸器外科は外科という大きな組織の中の一員です。現在当科は教授(兼務含む)2名、特任教授1名、助教(医局長)1名、医員助教1名、専修医2名の計7名で診療しています。

1 低侵襲手術

「呼吸器外科」では、原発性肺癌、気胸、胸腺腫などの縦隔(じゅうかく)腫瘍、他臓器がんから転移した肺腫瘍、膿胸や真菌症などの感染症、その他の特殊疾患の手術治療を行っています。特に日本人がん死因の上位である原発性肺癌が最も多く、これからも増加していくことが予想されています。呼吸器外科の手術は近年、患者さんの負担を減らすための「低侵襲手術」が増えており、全手術の約80%が下で説明する胸腔鏡やロボットを用いた手術になっています(2017年全国集計による)。愛知医科大学呼吸器外科でも積極的に低侵襲手術を行っています。呼吸器外科低侵襲手術は現在、「胸腔鏡下手術(単孔式を含む)」と「ロボット支援下手術」の2つの流れができつつあります。それに加え、「剣状突起下アプローチ手術」も縦隔腫瘍に対して積極的に行なっています。

  • 1. 単孔式手術(ユニポートVATS)

    小さな傷口1ヶ所のみで手術を完了してしまうこの術式は技術的に高難度であり、どの病院でも施行可能なわけではありませんが、愛知医科大学ではすでに例を越えるユニポートVATSを行っています。

  • 2. ロボット支援下手術

    ダビンチXiシステムを用いた手術は、胸腔や縦隔などの狭い場所でも複雑で細やかな手術手技を可能にします。より多くの患者さんにそのメリットを感じてもらえるよう。

  • 3. 剣状突起下アプローチ

    心窩部(みぞおち)を3cm程度切開して手術する方法です。美容上、傷が目立たず、痛みが少ない手術方法です。VATSでもロボットでもこのアプローチを利用して縦隔腫瘍の手術を行なっています。

2 経験豊富な専門医が複数在籍

胸腺腫瘍をはじめとした縦隔疾患の外科診療における著書もあり、全国的にも有名な矢野智紀教授(臨床腫瘍センター腫瘍外科)は呼吸器外科医として30年をこえる豊富な臨床経験があります。福井高幸教授は同じく25年ほどの経験ですが、胸部腫瘍外科医としてがんセンターなどでの手術経験が多く、低侵襲手術から拡大手術まであらゆる手術を担当してきました。それぞれが得意としている分野があり、時には協力して困難で大きな手術に取り組むこともあります。専門性が高いといわれる呼吸器外科医は充足しておらず、東海地区においてもまだまだ不足しています。よって、このような経験豊富な専門医が複数在籍している病院はあまりありません。

3 その他

「癌です」と診断された患者さんの不安を少しでも早く取り除けるよう、当科では手術待機期間(手術待ち)が2週間~4週間程度と比較的短い期間ですむよう努力しています。また、患者さんに最適な治療が行えるよう常にチーム内で相談をし、呼吸器内科、放射線科の先生方とも定期的に連携しながら病気に立ち向かっています。