膿胸
胸の壁(胸壁)と肺の間の空間(胸腔と呼びます)に感染が起き、膿(うみ)がたまった状態を“膿胸“と言います。治療はまず、呼吸器内科にて抗生物質の投与とともに、管(ドレーン)を胸腔に入れて膿を出します。この治療で改善が得られない場合は手術で膿をかき出して、胸腔内を掃除してくる必要があります。当科ではこの手術を胸腔鏡で行う様に努めています。目に見えない細菌やウイルスが相手ですから、一度の手術では完治しない場合や、従来から行っている胸を大きく開ける”開胸手術“になることもあります。胸腔鏡下手術で治療できるかどうかは、膿胸の発症からどれだけ早急に手術が行えるかが”カギ“を握っています。すなわち、どの段階で手術が必要なのかを適切に判断しなければなりません。
当科では呼吸器内科と密に連携を取り、迅速に膿胸の治療にあたっています。
胸部外傷
肋骨骨折、胸骨骨折など、胸の壁を支えている骨の骨折や、気管断裂、肺損傷など、肺や気道(空気の通り道)の外傷は緊急処置が必要な場合があります。このような胸部外傷に対しては、高度救命救急センターが初期対応し、緊急手術が必要な場合に備えて当科が待機しています。
間質性肺炎
肺の中の細かい“血管”と空気の通り道である“気管支、肺胞”の間の部分が“間質“です。間質に”炎症“が起こると間質性肺炎と言います。間質性肺炎はタイプによって治療法や経過が異なります。そこで、そのタイプを調べるために肺の一部を取る「肺生検」が必要になる場合があります。当科では間質性肺炎に対して胸腔鏡を用いた肺生検を積極的に行っています。
また、間質性肺炎は急激に悪化する場合があります。これを“急性増悪”と言います。急性増悪が起きると致死率は50%を越えるとも言われていますが、その原因はまだ十分に分かっていません。肺の手術が引き金となって急性増悪を起こすこともあり、当科では間質性肺炎の状態を把握し適切な手術を選択しています。手術後に急性増悪をきたした場合は呼吸器内科と連携を取り迅速に治療にあたっています。